緑単色デッキの最高峰、「セニョール・ストンピィ」について。
緑単色デッキの最高峰、「セニョール・ストンピィ」について。
緑単色デッキの最高峰、「セニョール・ストンピィ」について。
検索をかけてここへやって来た人、初めまして。埼玉・東京でMTGをプレイしている雅弥(まさや)っつー者です。僕は第4版からMTGをやっているのですが、一番最初に組んだまともなデッキが「緑単色デッキ」で、それ以来ずっと緑を使い続けています。

どうして僕が緑を好きになったのかと言うと、1マナで3/3の優秀なクリーチャー《はぐれ象/Rogue Elephant》がいたからです。コイツの強さは相当なもので、《稲妻/Lightning Bolt》《剣を鍬に/Swords to Plowshares》が無かった当時のスタンダードは、このクリーチャーに制圧されていたと言ったら過言でしょう。←

で。そんな僕がデュエリスト・ジャパンのvol.2で「デッキ・デコンストラクション」という記事に出会った訳ですよ。コレを読んで人生変わりましたね。もう緑が格好良過ぎて堪らない。マジ濡れる。惚れ直す。

…って事で、お待たせしました。僕がたまたまDNのアクセス解析を見たところ、「セニョールストンピィ デッキリスト」って検索ワードでいらっしゃった方がいたので、レシピを転載すると共に、僕が出会ったその記事を、僕なりに多少アレンジした形で載せようと思います。(ちなみに、デッキリスト自体はMTG wikiに載っている物と同じで、スヴェンド・ガートセン氏が使用していたものと同じになります。)

コレを読めば緑好きな人は共感するに違いなく、緑に興味が無い人も「あぁ、そうなんだね」って感じで納得できるかと思います。そして、僕がどれだけ緑が好きで、どうしていままで「緑単色」にこだわっているのかも少しは垣間見ることが出来るかもしれません。

それと、半分は自分用にするつもりなので分かり辛い文章、言い回し、ノリがあると思いますが、そこは適当に流してください。ちなみに、今回貼り付けている画像は文中に出てくる順番どおりに並んでいるので、画像を見ながら読み進めると、より良く理解できると思います。(大きい画像が貼り付けられないゴミ仕様なので、小さい画像で勘弁してください。気になる方はMTGwikiで調べてみよう!)

では、始まります。



デッキ・デコンストラクション
-デッキを解体解説する-
「セニョール・ストンピィ」


【枕文】
「セニョール・ストンピィ」は、テキサス州オースティンのビル・メイシィ氏とポール・ギャラガー氏が作成したデッキタイプです。この二人はいわゆる神。そうゴッド。マジゴッド。そしてその呼び名は、このデッキがよく大型クリーチャーで相手を蹂躙してしまう所から名付けられたそうです。そういう展開に一役買っているのが、"ウェザーライト"で登場した緑の3/3クリーチャー《はぐれ象/Rogue Elephant》で、なんとこのクリーチャーはたった森一つ分で場に出てしまいます。チート性能だね!


【はじめに】
このデッキは普段のデュエルの場でも多く用いられているデッキタイプの一つ、「緑の大量クリーチャーデッキ」を元に作られ、選手権トーナメントでも使用されたデッキです。その名も「セニョール・ストンピィ」です!名前からして格好いい!惚れる!濡れる!心が猛る!

トーナメント以外の通常のMTGの対戦で使用されるデッキの場合、その多くがクリーチャーを基盤にしています。それぞれの色にはそれぞれ独特の長所がありますが、緑の場合は「マナ生成」と「大型クリーチャーの召喚」が当てはまります。この長所ゆえに、緑単色や緑と他の色とを組み合わせた大量クリーチャーデッキは構築したりプレイするのが容易で、大抵はかなり上手く機能します。さらにトーナメントレベルであってもこの緑単色デッキは時に素晴らしい成果を挙げることがあります。しかしながら、このセニョールストンピィが出現するまではさほど成果を挙げることが出来ないのが現状でした。緑は常に不遇の扱いをされていたんですね。それでも好きです、緑だから!

「セニョール・ストンピィ」は、当時の最も新しい緑の大量クリーチャー戦術であり、世間の注目を集めていました。このデッキの特色は、そのマナ依存率の低さにあります。それはすなわち《森/Forest》そのものを生け贄に捧げたり、墓地から手札へ、あるいは場から手札に戻すといったやり方でうまく活用する、多数の低コストクリーチャーとカードにあります。(コストは低くても強いカードはあるよ!)


【デッキの構築について】
多くの緑の大量クリーチャーデッキは、スライと同じようなマナカーブを基準にしていますが、その傾きはスライよりか緩やかです(画像③の右下参照)。というのは、マナを生成する《Fyndhorn Elves》達のおかげで、2ターン目に3マナのクリーチャーを出したり、3ターン目に4マナのクリーチャーを出したり出来るので、スライのカーブが要求するよりもコストの低いクリーチャーを減らし、逆にコストの高いクリーチャーを増やすことが出来るからです。しかしセニョールストンピィでは、それとは全く逆の方向からアプローチし、あえてマナカーブの傾きが急になる様にデッキを構築しています。逆アプローチとかマジ異端児。やべぇかっけぇ。

ストンピィデッキでは、クリーチャーを32体ほど使用しますが、そのうちの約半数のコストは1マナです。その中には高速でマナを展開する為の《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》《Fyndhorn Elves》が最低でも4枚入ります。また《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》も4枚入るカードで、これがいれば1つの森から2マナを生成したり、攻撃に参加したクリーチャーをアンタップして相手のターンにブロックに参加させることが出来ます。《森》が1枚に《レインジャー》《エルフ》がいれば、そこからは4マナが発生します。マジキチ性能の可愛いやつら。コレがマナ基盤になります。

それ以外の1マナクリーチャーは、可能な限り迅速にダメージを与えるという目的から、「高いパワーと相応の短所」を持つものの中から選択します。《はぐれ象/Rogue Elephant》は、たったの1マナでいきなり場に登場する、とても素晴らしい3/3のクリーチャーです(別名:デュデュデュぱお~ん!さん。命名のきっかけはスロットの獣王の演出時の効果音から)。このクリーチャーの短所は、場に出たときに森を1つ生け贄に捧げなければならないので1ターン分マナ生成を遅らせるという点です。しかし、セニョールストンピィはマナカーブの傾きが著しいデッキなので、森を生け贄に捧げてもさほど痛手にはなりません。先に紹介したマナ基盤から4マナも出るので、《森》が1枚あれば事足りるのです。

よく選ぶほかの1マナのクリーチャーには《ガズバンのオーガ/Ghazban Ogre》がいます。この場合も、普通なら2マナかかるはずの2/2クリーチャーを1マナで出すことが出来ます。確かに、このクリーチャーはちょっと移り気なのが玉にキズですが、ストンピィデッキは相手に迅速にダメージを与えるように作られているので、《オーガ》が寝返るような事はほとんどありません。しかし、万が一そういう事態が生じたなら、いずれにせよ何かマズい事が起きているはずですから、たとえ《オーガ》の裏切りが無かったとしても、そのデュエルでは多分勝ててはいなかったでしょう。緑はそんなデッキです。でも好き。

さらに残ったクリーチャー枠の半分以上(通常9~12体)に2マナクリーチャーを割り当てます。緑には2マナ枠にも非常に優れたクリーチャーがいくつかいます。《収穫のワーム/Harvest Wurm》は、《はぐれ象》と相性のいいクリーチャーで、《はぐれ象》により生け贄に捧げられた《森》を手札に戻してくれます。

"テンペスト"がスタンダード環境に加わる事により、"アイスエイジ"ブロックが外れるまでは《Spectral Bears》も文句無く4体入るクリーチャーの内の1つでした。《はぐれ象》《収穫のワーム》と同じく、これも3点のダメージを与える事の出来るクリーチャーで、しかもアンタップの問題は《レインジャー》の能力で回避することが出来ました。

一方"テンペスト"が登場してからは、それに代わるクリーチャーとして《筋肉スリヴァー/Muscle Sliver》がよく用いられていました。《筋肉スリヴァー》は、場に1体しかいない場合には2/2なので《Spectral Bears》の3/3には及びませんが、その数が増えるにつれてパワーとタフネスが強化されます。

2マナ枠の残りには、よく使われる優れた2マナクリーチャーである《疾風のデルヴィッシュ/Whirling Dervish》《リバー・ボア/River Boa》がそれぞれ何体かずつ入ります。ともに4体ずつ入れる余裕が無い場合でも、これらのクリーチャーは大抵メインデッキに何体か入りますし、よくサイドボードに入れておいて、黒や青のデッキと対戦する時に入れ替える事もあります。《エルフの射手/Elvish Archers》も2マナ枠の選択肢として十分考えられるクリーチャーなのですが、セニョールストンピィでは《エルフの射手》は使わずに、もっと相手に排除されにくいものを選択するようです。

《エルフ》《レインジャー》が3ターン目までに場に出ていることがほぼ確実なので、3マナ枠のクリーチャーはほんの少ししか入りません。《ジョルレイルのケンタウルス/Jolrael’s Centaur》は、3マナ枠でよく使われるクリーチャーです。もちろん、これを4枚入れても構わないのですが、ほとんどのストンピィデッキでは2体しか使いません。また、デッキの中には《ウークタビー・オランウータン/Uktabi Orangutan》をメインかサイドボードに入れているものもあります。

4マナ枠には当然の選択肢として、あの《ルアゴイフ/Lhurgoyf》が入ります。低コストのクリーチャーは対戦相手のライフを徐々に削り落としながらも相手に排除されていくので、たいていの場合《ルアゴイフ》を場に出すときには墓地に多数のクリーチャーの死体が積み重ねられていることになり、《ルアゴイフ》は、かなり「大きく」なります。普通《ルアゴイフ》は墓地に死体が2、3体もいれば十分ですが、このクリーチャーを採用している事こそがストンピィデッキのクリーチャー構成数の理由となっているのです。←コレは言いすぎだと思う…。

そして、すべてのセニョールストンピィデッキに共通する最後の構成要素が《冬の宝珠/Winter Orb》です。《冬の宝珠》は、ストンピィデッキにとってはほとんど問題になりません。先に述べた様に《エルフ》《レインジャー》のおかげで、場に《森》が1枚しかなくても十分うまく機能するからです。このデッキに組み入れたクリーチャーの大きさは、大抵のウィニーデッキなら十分圧倒できるほどのもの(《野生のナカティル/Wild Nacatl》でさえ、1ターン目は大概が2/2!)ですし、ウィニー以外の戦略のデッキは、大抵《冬の宝珠》で身動きが取れなくなってしまいます。

最後に残った4~6枚の呪文には、多少選択の幅があります。最もよく選ばれるのは、昔ながらの定評のある《巨大化/Giant Growth》でしょう。"テンペスト"が登場するまでは《狩りの報奨/Bounty of the Hunt》もよく使われていましたが、"テンペスト"以降の環境になるとかなりのプレイヤーが、このカードを《踏み荒らし/Overrun》と入れ替えています。また、プレイヤーの中には、相手にトドメを刺すためのカードとして《ハリケーン/Hurricane》を1、2枚入れる人や、数枚の土地破壊カード(《冬の抱擁/Winter’s Grasp》など)を入れる人もいます。あるいは中盤以降の手札補充用として《自然の復活/Nature’s Resurgence》を入れる場合もあるようです。

セニョールストンピィでは、土地については大体《森》が16枚に《Heart of Yavimaya》が2枚と決まっています。ほとんどのデッキでは土地が16枚と言うのはかなり少なすぎる枚数なうえに《Heart of Yavimaya》《はぐれ象》を出したときには、その少ない《森》を生け贄に捧げなければなりません。にもかかわらず既に説明したように、ストンピィは場に《森》が1枚出ていれば十分うまく機能することが出来るので問題はありません。残念なことに"テンペスト"以降の環境では《Heart of Yavimaya》とうまく置き換わるカードがありません。プレイヤーの中には、コレに代わるカードとして《エラダムリーのぶどう園/Eladamri’s Vineyard》を入れる人もいるそうですが、このカードは時に裏目に出ることがるので要注意です。(エターナル環境で《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》という選択肢もありますよ!)


【デッキをプレイする】
セニョールストンピィは凄まじい速さで展開するよう構成されています。このデッキをプレイする場合は、序盤の数ターンの間に出来る限り激しく攻め立てて相手のライフを削り、相手が4マナを出せる状態に達して大型クリーチャーや大量破壊呪文を展開する前に、圧倒的優位に立っておく必要があります。実際、このデッキによるデュエルは、たとえば次のように展開します。(シークエンスの1パターンです。)


第1ターン
《森》を出す。
《エルフ》を出す。

第2ターン
《森》を出す。
《はぐれ象》を出す。(《森》を生け贄に捧げる)
《収穫のワーム》を出す(《森》を墓地から手札に戻す)

第3ターン
・3体で攻撃し、7点のダメージを与える。
《森》を出す。
《冬の宝珠》を出す。


相手が「無害な存在」(あなたに影響するような事は何もせずに、ただそこに座っているだけの人。いわゆる「ぼっ立ち状態」の事)の場合には、セニョールストンピィはだいたい5ターンで勝利します。相手が序盤十分なマナに恵まれなかったり、あなたが早い段階で《冬の宝珠》を出してしまった場合も、対戦相手はこのデッキに対して「無害な存在」になることがあります。もしもこういう展開になった時には、可能な限りすべてのクリーチャーを場に出して、全力で相手を攻撃します。

一方、反撃してくる相手に対しては、もう少し慎重にプレイする必要があります。ただし、攻め手を控えるのはセニョールストンピィのやり方ではありません。この場合にも、やはり序盤から可能な限りのダメージを相手に与えられるように強攻します。ただし、やりすぎないよう注意しなければなりません。手ごろな攻撃用クリーチャーが2、3体場に出揃ったなら、以降は引いてきたクリーチャーを手札に温存しておきます。そうすれば、相手が大量除去呪文を使用しても、すぐに戦況を立て直して攻撃を再開することが出来ます。

《巨大化》は、相手が直接ダメージ呪文でクリーチャーを排除しようとしたときの防御用や、他のクリーチャー主体デッキと対戦する場合に、自分のクリーチャーを生き延びさせて相手のクリーチャーを葬るための手段として使用します。それを使えば確実に勝利できるという状況や、クリーチャー不在のコントロール型デッキと対戦する場合以外では、ダメージを3点増やす事の為にこれらの呪文を浪費しないようにしてください。


【デッキレシピ】

〔メイン〕
・土地(18枚)
16:《森/Forest》
2:《Heart of Yavimaya》

・クリーチャー(32枚)
4:《Fyndhorn Elves》
4:《ガズバンのオーガ/Ghazban Ogre》
4:《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》
4:《はぐれ象/Rogue Elephant》
3:《収穫のワーム/Harvest Wurm》
4:《Spectral Bears》
2:《疾風のデルヴィッシュ/Whirling Dervish》
2:《ジョルレイルのケンタウルス/Jolrael’s Centaur》
2:《ウークタビー・オランウータン/Uktabi Orangutan》
3:《ルアゴイフ/Lhurgoyf》

・その他の呪文(10枚)
4:《巨大化/Giant Growth》
2:《狩りの報奨/Bounty of the Hunt》
4:《冬の宝珠/Winter Orb》


〔サイドボード〕
・(クリーチャー5枚)
2:《リバー・ボア/River Boa》
2:《疾風のデルヴィッシュ/Whirling Dervish》
1:《ウークタビー・オランウータン/Uktabi Orangutan》

・その他の呪文(10枚)
2:《崩壊/Crumble》
4:《エメラルドの魔除け/Emerald Charm》
3:《孤独の都/City of Solitude》
1:《狩りの報奨/Bounty of the Hunt》


THE DUELIST#22(デュエリスト・ジャパンvol.2)より
文:ベス・モーサンド
訳:佐藤義浩
アレンジ:雅弥


※第2回:緑単色デッキの戦略:対戦相手の見極め方。
http://nextlevelgreen.diarynote.jp/201201291627369770/

以上で終了!メッチャ時間かかったけど、やってて楽しかったからまぁいいやwwww

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