Principle of the Archetype:Ramp Deck
ランプデッキとは、土地やアーティファクト等の恒久的なマナ加速によって使用可能なマナ領域を押し上げ、重いフィニッシャーに繋げるアーキタイプの総称です。「ビッグ・マナ」や「ターボランド」といった場合もほぼ同じアーキタイプを指しています。

ランプデッキはボードへの脅威を展開していき、ボード・アドバンテージを積み重ねていくミッドレンジとは対照的で、自分が望むマナ域までマナ・アドバンテージを取り続け、使用できるマナ域の押し上げを図ります。

ほぼ共通して緑を中心とした構成になる事が多いですが、マナ加速の際に色マナを確保しやすく、無理なく多色化が可能なので、カラーパターンは様々です。緑単色のものから、複数の色からパワーカードをかき集めたグッドスタッフ系のデッキまで幅広いバリエーションがあります。

通常、緑のマナ加速手段にはマナ・クリーチャーを使用するのが一般的ですが、自分の全体除去との相性が悪い事もあり、投入を控えるケースは珍しくありません。その点でも、軽いマナ・クリーチャーを重視してテンポロスの大きい土地サーチ呪文やマナ・アーティファクトを嫌う緑系のミッドレンジとは対照的になっています。

また、近年ではアーティファクトでも土地サーチを出来るものが増えてきており、緑を全く使用せずともランプデッキを組めるようになってきています。

このアーキタイプは序盤の数ターンをマナ加速に費やし、より重く、より強力な呪文を対戦相手よりも早いターンに唱えようと試みます。なので、ランプデッキは他のアーキタイプと比べて、「プレイ可能だ」とみなされるマナ・コストのスペースを拡大することが必要不可欠です。なぜならば、土地サーチ呪文やマナ・アーティファクトなどの恒久的マナ加速によって他のデッキよりも素早く、そして確実に高マナ域に到達する事が可能で、大型クリーチャーや重い呪文を連打、物量で対戦相手を圧倒する事に焦点を当てているからです。

何故重い呪文を連打する事が強いのかと言うと、6マナのカードの優位性は2マナのカード3枚よりも、3マナのカード2枚のそれよりも優れている傾向にある、といった理由が挙げられるでしょう。

ランプデッキは大きな脅威、所謂「フィニッシャーとするカード」を採用する場合に於いては、マナコストを無視して考え、カード1枚における仕事量の多いモノを採用する傾向にあります。これはとても基本的な事で、《休耕地/Fallow Earth》と《すき込み/Plow Under》比べるとよく分かると思いますが、自分の望むマナ域まで確実にマナが出る状況、つまり唱えるために十分なマナが出る状態なのであれば、《すき込み/Plow Under》の方が優位性が高い、と言うことです。

このアーキタイプはマナ・アドバンテージを伸ばしていく事だけに注目されがちですが、クリーチャー除去や土地破壊で相手を減速させて相対的な速度を得ることも多いのが事実です。この点ではコントロールデッキとしての側面が強いですが、しかしながらその一方で、このアーキタイプの根幹である能動的な動きはむしろアグロデッキやコンボデッキのそれに近いものがあります。このような事から、所謂3大アーキタイプのどれかに内包される概念ではなく、独立したアーキタイプとして扱われているのです。

基本的にマナ・アドバンテージの呪文を妨害するよりも、クリーチャーを除去する方が比較的容易に行えます。その事からランプデッキはマナ・クリーチャーよりも土地やアーティファクト等の恒久的なマナ加速を用いる事を原則としています。つまりこれが何を意味しているのかというと、ランプデッキが正常にランプした場合とアグロデッキが正常にカーブした場合とでは、他のアーキタイプからの干渉を受け辛いランプデッキが有利になるのが一般的だ、という事に他なりません。

その一方で、このアーキタイプには明確な欠点が2つあります。まず1つに、ランプデッキはマナ加速に特化している為、ランプカードを引きすぎても引かなすぎてもフィニッシャーたる脅威を展開する事が出来ないので、安定性に欠けるといった事が挙げられます。マナ加速の為に手札を消費してしまうので、ハンド・アドバンテージの確保や、ランプの為のソーサリー呪文にマナを割いてしまうので、インスタント・タイミングで動きにくい事も安定性を欠く要因となっています。2つ目に、このデッキは1つ、または複数の大きな脅威に依存していて、それらを達成する為に複数回のマナ加速を行いますが、それは逆説的に、その最後に着地させる脅威をカウンターされる、もしくは取り除かれてしまった場合には「ガス欠」を起こしてしまう、といった事を意味しているのです。

ランプデッキ構築の為のヒント
◆ランプデッキは初期ターンからの脅威に変え、《極楽鳥/Birds of Paradise》や《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》、《肥沃な大地/Fertile Ground》や《不屈の自然/Rampant Growth》、《旅人のガラクタ/Wayfarer’s Bauble》の様なランプカードからマナ・アドバンテージに差を付けていく事を基本とする。それらのランプカードはおおよそ12枚程度デッキに散りばめられており、土地は23から24枚ほど組み込まれる。

◆有効性の高い除去カードを8から12枚採用している。主だったカードは《終止/Terminate》や《マナ漏出/Mana Leak》、《原初の命令/Primal Command》など。また、《悪魔火/Demonfire》や《暴力的な根本原理/Violent Ultimatum》などの「爆弾カード」を1、2枚搭載しているデッキも散見される。

◆クリーチャーは一般的に12から16枚に抑えられており、《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》や《カメレオンの巨像/Chameleon Colossus》、《トロールの苦行者/Troll Ascetic》と言った全体除去や個別除去に対して耐性の高いものが見受けられる。その他のクリーチャーでは《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》や《原始のタイタン/Primeval Titan》の様なフィニッシャーが採用されている。

コメント

ho
2014年7月17日12:55

そうiPhoneならね。

ヱロゐ人。
2014年7月17日13:01

問題はどこのキャリアか、と言うことだ!

nene
2014年7月19日2:32

「加速できてカードも引けるカードを入れると強い」

むしろお外にいた時間が40時間以下です。
引きこもり万歳。

ヱロゐ人。
2014年7月19日2:42

そんな貴女に《都の進化/Urban Evolution》をプレゼント。

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