意見的な意味合いでの《実物提示教育/Show and Tell》。
やぁみんな、久し振り。今僕はちょっとやるべき事があって、なかなかコッチに来られない状況なんけど、とてもすごく気になる日記がアップされててね。きっと僕がコレには応えなくちゃいけないんだと思って筆を執っているよ。

それはどんな日記だったか、だって?実はそれはあまり関係ないんだ。それは実際、僕が筆を執るきっかけになっただけに過ぎないからね。とりとめて騒ぐ必要も無い事だよ。僕の中ではとてもすごく重要だけど、これからコレを読む君達には、これから僕が伝えようとしている事の方が重要だ。

前置きが長くなってしまって申し訳ない、僕の悪い癖だ。さぁ、始めようか。


そもそも、僕達「カジュアル・クラシッカー」、大雑把に括ってMTGを「趣味」として「嗜んでいる」人達にとって何より重要なのが「デッキ」だ。それはもう自分自身の「作品」といっても過言ではないし、差し支えないと思う。

だって考えてもみてくれ。膨大なカードの中からたった75枚の組み合わせを考える。それって数限りなくパターンがある訳だし、多分きっと、組み上げる人の「個性」がそのまま反映されるものだから。それが作品以外の何物であろうか。きっと、僕をはじめとするカジュアル・クラシッカーはみんなそう考えている筈だ。

だから僕達は「新たなるアーキタイプの構築」を指針にMTGを嗜んでいる。環境に対するソリューションを導きだすのではなく、どれだけ「人とは違った視点でMTGを考察出来ているか」を重点にデッキを組み上げる。(まぁ、これは僕がジョニーである部分が大半だとは思うんだけどね。)

デッキを組み上げる上での最優先事項は「今までに無いデッキタイプかどうか」って事だ。例えば僕達が《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》を使わないのはそういった理由からだ。決して「高くて手が出ないから」じゃなく、このカード1枚で戦場を制圧出来てしまう上に、どのビートダウンデッキにも入りうる上、一度でも戦場に出たらそれはもう「十手デッキ」になってしまい、デッキの個性を殺してしまうと言った事がこのカードを採用しない最たる理由だ。

カジュアル・クラシッカーにも色々なタイプがいるけれども、この部分だけはみんなが共通して持っている認識だと思う。そしてそれが「つまらない」に繋がってくるんだ。なぜソレがつまらないに繋がってくるのか。それは「勝ちよりも価値のある事がそこにはあるから」なんだ。

僕達は「勝つ為にMTGをやっている」わけじゃない。僕達は「MTGをやるからには勝つ」んだ。高いカードや一般的に強いとされているカードを使わなくても、それは勝ちから逃げている事とイコールには決してならない。だからパワーカードを嫌う傾向にあるね。簡単に勝ちを得られるってこともそうだけど、だってそのカードはもう「強い」って証明されているからね。僕達はまだ見ぬシナジーや、見向きもされていないカードを表舞台に上げてあげる事を喜びと感じるんだ。それが、僕達の「遊び方」だよ。

コントロールの確立された戦場で暴れ回る《練達の変成者/Master Transmuter》の強さに一喜一憂したり、マナ・ランプからの後攻3ターン目《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》着地からのサクリファイスだったり、僕達はそっちの方が「勝つ事よりも楽しい」と思えるんだ。だって、そんな動き今まで見た事が無いんだもの!見た事の無い動きは新鮮で、いつも僕達に期待と不安を同量与えてくれる。これからどんな動きをするのか、そんなすごい動きをするデッキに僕の作ったデッキは勝てるのか、ってな具合にね。それが何より楽しいんだ!

…でもやっぱり高いカードに勝つ事は難しいのは事実。みんながみんな、この「カジュアル・クラシック」でプレイしている訳じゃないからね。でも、そこからが僕達の真骨頂だ!素直に諦めて高いカードを使う?そんな事するくらいなら始めからこんなデッキは使わない!だったらどうするのか?そう、考えて、上手くなるんだ。(ちなみに君が上手くなりたいと思っているなら僕はいくらでも協力するからいつでも言ってくれ。)


例えば。簡単な話をしようか。


①《耕作/Cultivate》を含むマナ・ランプを12枚程度投入して、ランプデッキを構築するとしよう。そうだね、フィニッシャーは《無限のワーム/Endless Wurm》がいい。コイツは《怨恨/Rancor》と恐ろしい程のシナジーをもたらす。11/9、しかもトランプルを持った化物が毎ターンたった緑1マナで使役出来るのは凄いね。

②また、ランプデッキは想像以上に手札を消費する。その為に《よりよい品物/Greater Good》を入れよう。差し引き9枚のカードを得られるし、《怨恨/Rancor》は手札に戻る。インスタントタイミングの除去に合わせてサクリファイス出来ると強そうだね。

③うーん、これだと後半にはマナが大きく余りそうだね。それじゃあ《世界棘のワーム/Worldspine Wurm》を入れてみよう!《よりよい品物/Greater Good》とのシナジーも期待出来るし、追放以外の除去であれば、ボードアドバンテージがとれそうだ。なかなかいい感じになってきた。

④それでもやっぱり追放系のスペルが怖いね。だったら《巨森の蔦/Vines of Vastwood》の出番だ!相手の呪文を回避しながら強化も出来る優れもの。コレを生かす為にはプレイングも重要そうだね。《無限のワーム/Endless Wurm》と《怨恨/Rancor》、それに《巨森の蔦/Vines of Vastwood》の計7マナになるまではマナ加速に徹底した方が良さそうだ。

⑤そうするとランプカードのカウンターが怖いね。だったら《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》だ。幸い緑には土地をサーチするカードが豊富にある。その辺も含めてランプカードとの兼ね合いをとっていけば仕上がりそうだね。


とまぁこんな感じかな。本来ならもっと詰めなきゃならないけど、これだけでも意味合いを感じ取ってもらえると思う。僕達はこういった様にデッキを構築していく。多分慣れていない人は①しか思いつけないんだと思う。僕を含めたカジュアル・クラシッカーは、「その筋」で長年やってきているからこうパッと思いついたり出来るんだけど、多分嘆いている人達は①で止まってしまっているのだと思うよ。

特に④。自分のデッキの弱点とそれに対応出来るカードとプレイング。この部分がしっかりしていないとやっぱり勝つ事は難しいかな。これは慣れしかない。

話は変わるけど、僕にはライバルと呼べる人が一人と、カジュアル・クラシックをやっているメイドさんが1人いる。そのメイドさんも①は結構しっかりしているんだけれども、それ以外が薄い感じ。だから僕が余計なお世話かもしれないけれども、アドバイスをしてる。もちろん、本人の見つけた「デッキの種」を殺さない様なカードを教えているよ。自慢じゃないけれども、実際それでものすごく強くなって、僕も勝てないくらいのデッキに仕上がったものもある。

そのメイドさんの凄い所は「負けてもめげない」って事。負けたとしても文句なんて絶対にいわないし、何より所謂「札束デッキ」に当たったとしても「自分の使ってるカードが安かったから負けた」とはいわず、「自分がデッキを使いこなせていないから」と考えるのが素晴らしい。そして、「負けから次の一手を見いだす」って事を常にやっているね。勝つ事よりも、むしろ負ける事に意味を見いだしているよ。勝負して負けるたびにやる「反省会」も、僕にとっては楽しみの一つになっているよ。それもカジュアル・クラシックの楽しみ方の一つのうちに数えても良いかもしれないね。

そんな僕のメイドさんの好きな言葉を二つ挙げておこうと思う。

「疑え。もう1回疑え。あと1回疑え。最後に1回疑え。」
「手は綺麗に、心は熱く、頭は冷静に。」

これをモットーに、「カジュアル・クラシック」なスタイルであれば、MTGに限らず、どの場面でも有効に働いてくれると思うよ。自己批判しろ、って歌もあるくらいだしね。←


ある人はこの「カジュアル・クラシック」って概念について「他人に伝える事はそんなに難しいとは思わない」と言っていたけれど、僕はとても尊く、理解するのは難しいと思っているよ。時には住み分ける事もお互いにとって重要なんじゃないかな。気持ちだけ先に行ってしまって、結局お互いに駄目になるのは人付き合いの延長上にある恋愛も一緒。そういう事だと僕は考えているよ。

そんな感じ。あんまり言いたく無いけれど、頼ってくれれば僕はいつでも出るよ。僕の方が年下だけど、この概念については僕の方が先輩だと思うし、なによりここには書かない様な「経験値」が僕を後押ししてくれてるからね。だからいつでもどうぞ。

コメント

nene
2014年4月28日1:04

ご主人様も九鬼先生の教えを受けましょう。
【九鬼流絶招 肆式名山 内の壱“焔螺子”】とか習得できますよ。

ヱロゐ人。
2014年4月29日11:38

僕はどっちかって言うと「無現鬼道流剣術」の使い手だかんなー。本家は「STA」を主体とする体術だけど、剣の道では御剣家だな。

…オルタナティブ以降やってねーけど。

めぐぅ
2014年4月30日8:57

この日記を体現してるカジュアルプレイヤーがこの世に何人いるのかと

最近ホントウンザリしてたんで癒されますわ

ヱロゐ人。
2014年4月30日13:35

癒されたなら何より!

色々あるかもしれませんが、こんな風に考えているプレイヤーもいるよって事で。海外勢のガチな「GEEK」連中に鍛えられるとこうもなりますわな。

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